一見「ビジネス英語」と聞くと難しそうな印象を持たれる方も多いと思います。 確かにビジネス英語というと外国人が日常生活で使う英語と異なる部分もありますし、堅苦しく聞こえる表現も沢山あります。しかし日本語と英語の両方を話せる私にとって、ビジネス英語は日本のビジネスの場面で使う日本語よりは遥かに易しいものだと思います。
ビジネスの場面で使う日本語はその業界特有の専門用語を含め、更に敬語(尊敬語、謙譲語、丁寧語)、ビジネスマナー(名詞の渡し方、席次・席順、上司と後輩の接し方)、空気を読むというなんとなく雰囲気を感じ取る日本独特のコミュニケーションスタイルが必要になります。それを外国人に教えるのは中々難しいことだと思います。
それに比べ、ビジネス英語は単純に言えばスラングや方言を除いたスタンダードの英語に専門用語が加えられている程度のものだと感じます。
つまりStandard English + Business Jargon - Slang and/or local dialects
日本語の場合は敬語と日常会話には明確な違いがありますが、ビジネス英語はどことなくあやふやではっきりとした定義付けが難しいと思います。当たり 前の話ですが、実務で応用できる英語こそビジネス英語になります。丁寧且つ簡潔でメールやレポート、ミィーティング、テレフォンコンファレンス、出張先で 使える英語などこそが真のビジネス英語だと思います。
実は本場アメリカやイギリスの大学でビジネス、法律、貿易、金融、マーケティング等を学んでも、「ビジネス英語」という概念そのものを学んだ記憶はありません。日本でもサラリーマンはビジネスマナーや敬語を学んでも、ビジネス日本語や商業日本語と言う表現はあまり聞かないですよね? 多分それと同じ事だと思います。
ではなぜ日本ではビジネス英語というカテゴリーがそもそもあるのか?下記の英文Wikipediaのリンクからの引用になりますが、実はビジネス英語というのは英語圏では教えられることもあるかもしれませんが、主に英語圏外で教えられていることが多いと書かれています。
https://en.wikipedia.org/wiki/Business_English
グローバル化が進んでいく中、誰もが英語の重要性を理解していると思います。 程度の差はあれ、もはやどこの国へ行っても現地の方たちはある程度の英語は分かります。 英語圏外の国(たとえばフランスや韓国など)を繋ぐコミュニケーションの手段としても英語は重要です。ただ国際的に英語が普及していくにつれ、今まで単純に二 極化していたBritish EnglishとAmerican Englishの二つだけに留まらず、Singlish(Singapore English)、Australian English、Malaysian English (Manglish)、Hong Kong English, Indian Englishなど国や地域によって英語の方言が増えています。 これに伴い、同じ英語でも聞き取るのに苦労するというケースも多くなりました。
日本国内でも関西弁、東北弁等、多少言葉の違いがあってもテレビのニュース等では統一して標準の日本語で放送しますよね?
近年、国際的に取引する企業が増えており、その取引量も膨大です。コミュニケーションのミスは絶対に許されません。よって英語でも統一性のあるスタンダードの「ビジネス英語」という概念が重要視されています。